削り出しナイフの作り方
鑢ナイフから続いて削り出しナイフの作り方。いわゆるストック&リムーバル方式でのナイフ作りをここで説明する。
削り出しということで、道具は鑢・万力・金鋸・紙やすりがあれば事足りる。
つまり鍛造のような打撃音は無く、金属を削る擦過音が延々と続く地味な作業になる。
今回わかった事は
私は削るのが嫌いであると言う事
削るのが、つーか根気のいる作業が嫌い。もともと短気だしw
まぁいいや。
楽をしたいならディスクグラインダーなどの電動工具を用意するともっと簡単になる。
ただし、その電動工具を使う場合は、鋼材を過熱させないようにすること。
じゃないと鋼材が変質してナマクラになる可能性がある。
とりあえず今回切削に使った道具を示す。
●ボール盤(10〜1mm:チタンコーティングのセット物。安い)
●鑢(・平:シャリ目、粗目、中目・半丸:粗目、中目・角:粗目・丸:中目・それぞれの大きさは任意)
●紙やすり(番手80、160、240、320など。基本的に布やすりが丈夫で使いやすい)
●万力(万力を固定する万力も必要。すなわち2個)
●その他色々
こんなところ。
じゃあ読んでみてちょうだいな。
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まず鋼材。今回使用した鋼材はSK3材で、300×50×10の大きさ。材料屋より購入。厚さの選択を間違った。 |
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方眼紙に鋼材の外形を描き、その中に納まるようにナイフのデザインを描く。今回はグリップを蓮根状に穴を開けることにした。これがあとから問題になる。 |
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そんで切り取って |
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鋼材に貼り付ける。 |
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そのあと外形より3mmほど一回り大きく穴を開ける。型紙が切削油を吸って乳白色〜 |
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粗方切って削って出した外形。ここまでの作業はボール盤とディスクグラインダーだけ。金鋸使おうとしたけど疲れるから嫌だ。 |
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握り具合を確かめるためにグリップ部の面取りをざっとやる。今回はばっちりだ。 |
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グリップの穴を開けるために紙型に沿って穴あけ。 |
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穴を開けた。画像だと一秒で状況が変わったように見えるが。この穴あけが一番時間食ってる。なんせ穴を一個開けるのに半日かかっているからな。 六つで3日だ。やってられねーよ。 |
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気を取り直してブレイド部分。ブレイドの部分に黒マジックで色を塗る。この時点で型紙は剥がれてしまった。 |
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こんな感じね。これも大分無駄になるんだけど・・・。 |
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ハイ、削り出し完了。施工時間1日。ディスクグラインダーの力は偉大なのだ。とは言いつつも、鑢の力をなめてはいけない。グラインダーで荒削りしてから鑢の出番。目通しするように削れば平面が出せるしね。 |
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そんでまーなんだ、あれだ。土を盛る。刃文がついたらいいなー程度に刃先の方を薄く&波模様に。 |
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で、加熱。熱する時には徐々に温度を上げるように。さもないと土の中の水蒸気や気泡のせいで土が弾けることになる。 |
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加熱後、室温の水へ。 |
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あらら、土が全部落ちちゃった。まぁ実験もせずにあの土盛ったからなぁ・・・。 |
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焼入れ後に気付いた失敗。炉内に入れる時に突っ込むようにすると先端が曲がる。気をつけよう。 |
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斑模様のブレイド。情けなや、慣れぬことをするから・・・。 |
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それで荒く研磨。模様はまだある。 |
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焼き戻し。200℃で30分。 |
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焼き戻し後、最終研磨に入る。この斑模様をなんとか消さなくてはならない。 |
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スタンダードに布やすりを手であてる。暫く経つと指が痛いのがわかった。 |
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そんなら鑢の目通しのように作業すれば疲れないんじゃないか?と思ったので布やすりを鑢の大きさに千切る。 |
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それで画像のように鑢の下に布やすりを当てるようにしてブレイドを目通しする。 |
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おかげで1時間程度でこのようにピカピカに。 |
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それで刃付けして完成。もともと鉈のように使えるようにしたかったのであまり鋭い刃はつけていない。 |
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切れ味は上々。石などに打ち付けない限り、野外で使用には問題無しかと。 |
やはりストック&リムーバル方式は疲れる。
根気がある人や炉が無くてもナイフを作りたい人がやる事だな。
熱処理に関しては専門店でやってもらった方がよい。
私は自分でやりたいから自分でやっただけのこと。
そして後日。
早速木を切ってみた。バスバス切れる。鋸よか仕事が早い。
それで使った後に手入れをしようとナイフを見直す。
するとある事に気付いた。
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使った後のナイフ。傷や汚れが目立つ。 |
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さて、どこか間違っている所があります。 |
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どこでしょう? |
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ど こ で し ょ う ? |
(つД`)ポイントが折れちゃったよー
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