削り出しナイフの作り方2
再びストック&リムーバル方式でのナイフを作りたくなった。
文句あるか?
以前は根気のいる作業が嫌いとか抜かしてたけど、暑い季節だとこれいいね。炉の前にいるよりはよほど暑くない。
さてさて、今回は随分金をかけましたよ。
材料+送料の総額で10280円。熱処理代+送料(往復分)を含めても11650円。買うより安いが作るのが大変。改めて職人の腕前がどれほど凄いのかというのがワカった気がする。
ちなみに↓で買った。
京都 金高刃物老舗http://www.kintaka.com/
使用した工具は前回と同じ。鋼材が薄いからむちゃくちゃ楽だった。
まぁ読めや
材料一覧。写っていないのもあるけど。
左上からエポキシ接着剤、ネジ 9×6 10個入り、ニッケルシルバーヒルト(加工済み)、テックロック、真ん中はD2鋼、下はフォームプレッシャー、下に敷いてある黒い板がカイデックス(1.5×300×300)
他にハンドル材としてメモリ基盤を使用する。勿体無い?どうせただで貰ったからいいの。さて、まず始めにケガくために表面にマジックで色を塗っておく。前回は方眼紙を貼り付けて削るようにしたが、今回は一段階上の事をしてみた。まぁケガくのは慣れてるから大丈夫。 ケガいた。どうも表面の黒皮のせいでケガくのが難しい。 こんな感じね。ここはハンドル部分。 で、穴あけた。薄いから楽々。ハンドルは出来る限り軽くする為に穴を大きく開けた。大きい穴をあける時には下穴を広げていくと楽にあけられる。刃を替えるのが面倒だけど、失敗したら元も子も無い。穴は面取りしておくと綺麗になる。リーマで穴を滑らかにしておくとなお良し。 周りを大体取り除いた。穴を繋げる様に切るよりペンチで折るようにした方がラク。後はグラインダーでデコボコを削る。 一休み。素材の一部を詳しく紹介。
これはネジ。オスメスがこの様になっていて、板を挟みこませるように出来ている。たった10個組で約800円。高ぇよ。オイラぁへたれなんで加工済みのものを購入。1480円。これも高い。自分で作った方が安いのはわかるけど、どうも自信がないから金に頼った。 加工完了。ニッケルだから凄く削りやすい。まるで鉛を削るような感じ。これなら自作も出来そう。 さて、休憩もそこそこに外形成形が既に終わった。殆どがディスクグラインダーで荒削りし、鑢でごりごりと整えた。 滑り止めの為に峰とハンドル後部にギザギザを入れた。 ハンドル後部。半丸鑢のエッジでゴリゴリ。 峰。丸鑢でごりごりと。 この時点でなんとなく形がまとまってきたのでヒルトをはめてみた。様になっている。 さて、これからブレードを作ろうかと思う。最初のうちにケガいておけとか言わないでね。 ここでノギスの登場。これをどう使うかというと・・・ まずブレイド幅を決める。今回は20mmにした。きちんと固定してね。 そして青墨を塗った鋼材にこうして直角に当てて・・・ きゅー、っと引いていく。丁度エッジ端面に沿うように。 そんで痕が突いた所をもう一度ケガキ針でケガく。簡単でしょ? そんでまぁ削った。ディスクグラインダーで適度に削り、仕上げは鑢。
今回は熱処理を業者に頼んでみる。会社は↓
八田工業株式会社 カスタムナイフ事業部
余談ではあるが、初めて刃物用としての鋼材を買ったのでちょいと緊張している。
http://www.hatta.co.jp/knife.html出してから一週間後、戻ってきた。八田から電話があって、「メール便だと保障は出来ないがそれでも良いのなら送る」とかなんとか。一応は返送方法は指定できることを確認。おかげで送料と処理料込みで1370円也。安いし確実に熱処理できるし、硬度も保障。いいね業者。 そんでまぁ証明書。ロックウェルで60だから十分じゃね?一応ビッカースもあるのか。 ロックウェル独特の円錐状の傷。三箇所あるから平均か?んでもって下の傷がハンドル材で隠れないからショックだorz 八田の野郎・・・! まあいいや、漏れの刃物は切れ味優先。まずは研磨する。例の如く紙やすりで目通しするように削る。油をたらしてもいいよ。 大体240番くらいまで磨いたらオッケーだろ。次にダイヤモンド鑢で刃先を研ぐ。 仕上げは砥石で研いで終了。コピー用紙が溶ける様に切れる。すいすい切れる。 次にヒルト。専用の接着剤を同量配合する。まずは硬化剤。 次に主剤。正確さが求められるこの作業に、無謀にも目分量で挑戦。もちろんこの後硬化不良で再度挑戦となった。固まっていない接着剤は溶剤で簡単におちる。納得するまで接着するべし。 練ったのがこれ。十分練られた基準がわからないので過剰なくらい練った。 このペーストをヒルトがはまる所に塗る。説明書ではヒルトにも塗ることになっているが、あの隙間に塗れるだけの根性がないのでむりぽ。 ヒルトをはめた。はみ出した所はテッシュなどで拭き取れば大丈夫。 拭き取った。どうもこの接着剤の臭いは嫌いだなぁ。 温めると早く硬化するらしく、100℃で30分、60℃で70分という事なので75℃で1時間お湯に浸けてみた。耐水性があると書いてあるから大丈夫だろ。 固まるまでの内にハンドルを削る。今回はパソコンのメモリを2枚使った。あ、石投げないで。これを削っているところを見せると気が狂う人が出てくるかもしれないのであえて加工工程は撮らなかったw それでヒルトが固まった。これにヒルト用のだけどあの接着剤を塗る。 塗った。先程のメモリに白いプラ板を貼り付けてハンドルとの密着性を高めた。 貼り付け完了。再び湯の中へ。 さっきそのままお湯に浸けていたから錆が点々と発生してしまったので、今度はビニール袋に入れた。引き上げるのも簡単になるし錆びの発生も防げる。一石二鳥。 ハンドル周りにペーパーをあてて完成。ヒルトの形が違うのはご愛嬌ってことで。このあとシースを作る。作り方は別項とす。 ここまでまじめに作ったのは初めてかもしれない。
削り出しに最近はまってきた。面白いなこれ。
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