鍛接

鍛造での醍醐味ともいえる鍛接。
これが出来るようになると一層面白く、且つ製作の幅が広がる。なんとしても習得したい技術だ。
ここでは喜屋武の鍛接練習法を説明する。
言葉では限界があるので説明を読んだらあとは実践してコツをつかんで欲しい。

使用する道具
鍛造するための道具一式。
鍛接材:配合の割合は砂鉄:ホウ砂=1:3くらい。作り方はこちら

材料
フラットバー1本:幅15〜25mm位の物。予備として4,5本買っておくと良い。はじめて鍛接するときは15mmの物がいいかも。

材料のフラットバー。今回は25mmのものを使った。
フラットバーを赤める為に炉に突っ込みます。
大体このくらいの赤さ(※1)になったら
鏨か何かで切り込みを入れます。鋼材の厚さの三分の二くらいかな。
再び※1くらいまで赤めたら切り込みを入れた面の裏側を水へしまたは金ブラシかヘラでこそげ、すぐに鍛接剤をふりかけます。鍛接剤の量が多いと発泡して鍛接不良などを起こすので注意。
そのまま炉に突っ込んで再び※1まで加熱し、鍛接剤をかけた面同士を切込みからペンチで曲げて張り合わせる。その時にまだ赤かったらハンマで軽く叩く。
今度はこのくらいの色になるまで熱した後にぶっ叩く。目安は僅かに火花が出ているくらい。写真では出ているはずだったんだけど写らなかった。上手くいくとバン!と大きな音と共にスラグが勢い良く飛んでくるので火傷に注意すること。
鍛接完了。
その後何度も折り返して鍛錬した所。この時点では36層。この後シャンク部分を巻いて鍛接した。
最終的にはこんな感じになった。154層。層が重なるほど硬くなって折り返すのが難しくなる。

これらを練習すれば地金と鋼の鍛接も容易に出来るようになるだろう。
成功の有無は鍛接面の側面からハンマで叩くとわかる。
はがれるようだったら失敗。はがれずに変形するだけだったら成功。
失敗した時はあわてずに。熱してから隙間をペンチで広げ
そこに鍛接剤を多めに流し込むように入れて加熱。
再び火花が出るくらいまで加熱できたらハンマで叩くとくっつくはず。邪道かもしれないけど。
それでもくっつかなかったらあきらめなさいw

鍛接の練習中に調子に乗って作った物。
醤油でエッチングしてあるからはっきりと鍛接面が見える。

全部で64層。鋼材はフラットバー。
全部で154層。鋼材は同じくフラットバー。
塩化第二鉄溶液でエッチングしたものはこちら。画像が極端に大きいので注意。

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